精密機器業界とは?就職人気の高いメーカーと特徴

2018.12.28企業研究・業界研究
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カメラや電子機器、医療機器や通信機といった精密機器を製造している精密メーカー。日本の優れた研究開発、高い技術力によって作られている精密機器は世界にも注目されている製品です。そこで今回は、精密機器業界について詳しく解説していきます。就職を希望している就活生は、ぜひ参考にしてください。

精密機器業界の動向とは?

精密機器業界とは、医療機器・光学機器・計測機器などの精密機器を製造している業界のことです。そして、このような電気・ソフトウェア制御によって動作に高度な精密さを要求されるさまざまな機器を製造しているのが、精密機器メーカーです。精密機器メーカーの業態は大きく分けて、メーカーから一般消費者への販売(B to C)と各研究機関・企業などへの販売(B to B)の2種類あります。B to CとB to Bのどちらにも関連する製品を製造している企業も多く存在しています。主な企業としては、B to Cではニコンやシチズンなど、B to Bでは島津製作所などがあります。

近年、カメラや時計などを主軸としていたメーカーは、景気の低迷やスマートフォンの普及とカメラ機能の向上などが大きく影響し、業績が下降気味でした。対して計測・医療機器メーカーは、高齢化の進行や医療技術の発展・ニーズの増加などを背景に業績を伸ばしています。実際、日本の医療機器市場の規模は2016年には約2.9兆円にのぼり、過去最大の市場規模となっています。このため、今まで培った独自の技術を活かして医療・ヘルスケア分野に参入する精密機器メーカーが増加傾向にあります。

今後の課題

時代の流れや消費の低迷、国内の少子高齢化などの要因で業界の中でも分野によって明暗が分かれた感のある精密機器業界。現在好調な医療機器分野においても、国内外の需要が増加する中、日本企業の国際競争力はまだまだ低い状況にあります。製造業は今後、「モノを提供」することからモノを中心とした「サービス・機能を提供」する形態に変化していくことが予想されます。独自の技術を活かすだけではなく、新たな分野へいかに参入し付加価値の高い商品パッケージを開発・製造するのか、そして国際競争力をつけていくのかが、今後の課題といえるでしょう。

成長戦略

既存の自社製品の延長ではない新機器開発には高いリスクが伴うため、大企業が自社内で迅速な開発を行うことが困難なケースが増えています。そうした中、ベンチャー企業を買収するなど自社開発に頼らないイノベーションエコシステムが構築されつつあります。国の支援制度、多様な資金調達方法、M&Aなどを通して、企業は業績の維持・販路の伸張を図っています。

精密機器業界の主な企業

株式会社ニコン

1917年の設立以降、カメラなどの光学機械器具の製造と販売に特化してきた精密機器メーカーです。現在は一眼レフやデジタルカメラなどの映像機器の他に、映像機器の技術を活かして顕微鏡・医療機械・半導体・計測機器などの製造も行い、2017年度の連結売上高は約7,170億円となっています。強みである光学技術を活かして、ソリューション提供型のビジネスを行う取り組みを始めており、企業理念である「信頼と創造」を軸に、さまざまな製品・サービス・ソリューションの提供をしています。

オリンパス株式会社

顕微鏡製造から始まったオリンパスは、1919年創業で1930年代にカメラ事業を起こしました。カメラなどの映像機器が主流だったオリンパスですが、現在は独自の技術を活かして内視鏡などの医療機器の製造に乗り出し、好調な業績をあげています。2017年度の売上高は約7,865億円、その70%以上が医療事業であり、約57%が欧米での売上となっています。映像機器・医療機器など多様な精密機器製造に携われることからも就活生に人気の精密機器メーカーです。

株式会社島津製作所

1917年に設立された島津製作所は、医療機器・分析機器・計測機器・航空機器・産業機器の精密機器を製造しているメーカーです。2017年度の連結売上高は3,765億円、海外売上比率が焼く49%となっています。主な取引先は企業となるためB to Bに特化したメーカーでもあります。B to B業態で医療機器や航空機器などの精密機器製造・販売に携わりたい就活生にはおすすめのメーカーとなっています。変化を楽しみ、これまでにない価値創造の主役となれる人材を求めています。

精密機器業界で働く人の仕事内容

研究・開発

主な仕事内容は、新製品や既存の精密機器の研究・開発・改良を行うことです。精密機器を開発するにあたっては、発想力に加えてハードウェアやソフトウェアなどの知識が必要となるでしょう。また、システム設計を行うことも仕事となります。

生産管理

研究・開発部門で仕上がった製品を生産するにあたり、どのような製造工程を構築するのかを検討・設計したり、工程や製造量などを管理することが仕事となります。

サービスエンジニア

サービスエンジニアの主な仕事内容は、製品のメンテナンス業務や点検などの保守をすることです。時には顧客に対して、古くなった製品を新しいものに変える提案や、ニーズに合った製品・サービスを提示したりします。

先輩の声

家電製品や産業用機械などの様々な精密機器は私たちの生活に必要不可欠なので、人々の生活を支えるやりがいの大きい業界です。同じ業界でも分野によってその後の企業の成長率が異なってくるので、業界研究は徹底的に行った方が良いと思います。

おわりに

高齢化や医療制度の充実などで、医療機器が好調な推移をみせている精密機器業界。スマートフォン需要でデジタルカメラなどの映像機器は低迷が続いているものの、各精密機器メーカーは医療機器やヘルスケア機器など、好調な分野の精密機器製造に乗り出し業績を伸ばしています。精密機器業界に就職を希望している就活生は、企業研究や精密機器業界の今後の動向に注目しておきましょう。

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