音楽業界に就職したい!レコード会社や楽器メーカーなどの業績と仕事内容
2019.01.16企業研究・業界研究音楽業界にはレコード会社や楽器メーカーといった多くの企業があり、就職先として人気の業界です。学生のころから楽器を習っていた、音楽が好きなどの理由で音楽業界に携わりたいと思っている方も多いでしょう。そこで今回は、音楽業界の動向や仕事内容などについて詳しく解説します。また、主なレコード会社や楽器メーカーについても詳しくご紹介しますので、企業研究の参考にしてください。
音楽業界の動向とは?
音楽業界は大きく分けると、レコード会社と楽器メーカーになります。
今やインターネットの普及と共に、無料または定額で音楽を聴く時代になりました。これによるCDの売り上げ減少を受け、国内のレコード会社は音楽配信サイトを立ち上げるも、他業種からの参入が相次ぎ苦境に立たされています。ただ、こうしたモノとしての音楽販売が厳しい一方で、ライブなどの興行収入は好調となっています。
一方の楽器メーカーは、景気の低迷や消費者の好みの多様化、少子化などの影響を受け、楽器の売れ行きは低迷しているのが現状です。しかし、世界的にはストリーミング売上がけん引する形で、好調の波が生じています。国際レコード産業連盟の年次レポート「Global Music Report 2018」によると、2017年の全世界での音楽売上は約173億ドル(前年比+8.1%)、3年連続での高成長となっています。アメリカや日本などの音楽市場TOP20か国の内17か国、全60か国の内49か国で売上が伸長しています。
今後の課題
世界で売上が伸びてきている音楽業界ですが、日本はまだその波に乗り切れていません。「レコード会社はCDが売れない」「楽器メーカーは楽器が売れない」という状況で、今後はどのような形でユーザーに音楽・楽器を提供していくのか、新たな視点と対策が必要となってきます。それと共に、これからの時代の特性を最大限に活用できる優秀な人材を、いかに育成・登用できるかもポイントとなることでしょう。
成長戦略
売上が急速に伸びているストリーミング配信、好調なライブやコンサートなどの興行、これらを軸にレコード会社は業績を伸ばす戦略をとり始めています。また、各楽器メーカーは楽器販売だけでなく、楽器のシェアや音楽・英語教室の運営、スポーツ分野の事業などにも着手し、楽器を介した事業の多角化に動いています。
音楽業界の主な企業
レコード会社の主な企業
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
レコード会社の中で最大手とも言える当企業の2017年度売上高は約3,822億円。アーティストやタレントなどの発掘・育成をはじめ、総合エンターテインメントカンパニーとしてさまざまな事業を展開しており、世界を変える熱意と意欲のある人材を求めています。
ユニバーサル ミュージック合同会社
世界60地域にレコード会社やライセンシーを展開する音楽レーベルの日本法人。楽曲創作・ライブ・ファンクラブ運営など、アーティストの音楽活動全般をサポートする事業を展開しています。特にストリーミングの躍進に伴い増収増益を続けており、2017年1~3月期におけるグループ全体の収益は約1,600億円となりました。
株式会社ポニーキャニオン
音楽事業全般のほか、文芸やスポーツ、テレビなどの映像や映画製作、アニメの海外展開やグッズ販売など、多岐に渡った事業を展開しているレコード会社です。2017年度の売上高は約336億円、最終利益が前年比約55%増と好調です。
楽器メーカーの主な企業
ヤマハ株式会社
楽器メーカー大手として、ピアノをはじめドラムやギターなど多種多様な楽器を製造・販売するほか、音楽教室や映像ソフトの製作・販売、音響機器事業など、国内外で多様な事業を展開中です。すべての事業が堅調に推移した2017年度の売上高は4,330億円、前年より247億円増となっています。
河合楽器製作所
1951年の創業当時から世界一のピアノづくりを目指してきた楽器メーカー。楽器製作だけでなく、知育玩具や英語教室・体育教室など多彩な事業を展開しています。2017年度の売上高は約44億円で、その80%近くを楽器教育事業が占めているのが特徴です。
音楽業界で働く人の仕事内容
音楽業界では多岐に渡る事業展開をしている企業が多く、そのため職種もたくさん存在します。すべては紹介しきれないので、ここでは主な職種だけご紹介しておきます。
制作
アーティストの楽曲選定、音楽・映像・アニメなどの作品の企画・制作から販売までのすべてを取り仕切る役割を担う職種です。ヒット作を生み出す重要なポジションでもあります。
マネージャー
担当する俳優・アーティスト・タレントなどが活動をスムーズに行えるよう、アドバイスやサポートを行う仕事です。ファンクラブ運営なども業務に含まれ、アーティスト自身や作品をヒットさせるためのすべての業務を担うことになります。
クリエイティブ職
音楽や映像・アニメなどのデザインを手掛ける職種です。時代により移り変わる消費者の好みやニーズを把握する力や表現のスキル、独自の発想力などが必要といえます。
ライブ・イベントの企画制作/ホール運営
ライブやイベントの企画・制作・運営、興行の予算・収益管理などを行います。ホール運営では、こうした業務に加え、施設の運営業務も仕事となります。
このほかにも、Web関連職・宣伝・新人発掘・グッズ制作・経理事務などたくさんの職種があります。就職活動にあたっては、自分がどのような分野で音楽業界とかかわりたいのかを明確にしておきましょう。
先輩の声
音楽業界と一口にいっても色々な職種、企業があるので、自分がどのように音楽業界と関わりたいか見極める必要があります。また、音楽業界は学歴というよりは、常識にとらわれない発想力や人脈など、個人の魅力が重視される業界なので、自分の個性をしっかりとアピールできる自己PRが良いでしょう。
おわりに
音楽業界は苦境に立っていると思われていましたが、近年はストリーミングやライブ・コンサートが好調で、増収増益のレコード会社が増えています。楽器メーカーも楽器の販売だけに頼らず、事業を多角化することで業績を伸ばそうとしています。音楽業界に就職を希望している就活生は、グローバルな視点を持ってしっかりとリサーチしていくことをおすすめします。
株式会社ジェイック
最新記事 by 株式会社ジェイック (全て見る)
- 業績好調?リサーチ業界の現状と最新動向 - 2019年10月8日
- 大変革の時代!?ラジオ業界の現状と今後 - 2019年9月16日
- ジュエリー業界の将来性は?業界の現状と今後の動向 - 2019年9月16日