農業業界に就職したい!実はよく知らない農業の仕事内容とは?
2019.05.14企業研究・業界研究生産者の高齢化や後継者問題など、多くの課題がある農業業界。仕事内容は多岐に渡っており、どれもわたしたちの食生活には欠かせない重要な業界です。そんな農業業界の現状はどのようになっているのでしょうか?
今回は、農業業界の現状や動向から仕事内容などを詳しく解説します。農業業界に就職を希望している就活生は、業界研究や企業研究の参考にしてください。
農業業界の動向とは?
農業業界は大きく分けると、野菜や肉などの農産物を生産する企業と、種苗・農機・農業IT・飼料メーカーなど農産物の生産を支えるアグリビジネスの2種類で構成されています。第一次産業全体の問題でもありますが、農業分野は生産者の高齢化と後継者問題、それに伴う耕作放棄地の増加という大きな問題に直面しています。農林水産省や地方自治体が対策を講じるほど、深刻な問題となっています。
この現状を受け、農機メーカーや農業ITメーカーは課題解決に有用な研究・開発を進めています。現在は研究開発の成果が徐々に出始めてきており、人手不足解消や作業の効率化に役立つロボット、IoT、素人でも農産物の生産者になれるIT技術などが開発されています。
また、近年は農家直送ECサイトや他産業からの参入も増加傾向にある農業業界。業界全体で最新テクノロジーの導入による生産性の向上や、新たな販売システムの構築を図る動きが活発化してくことでしょう。
今後の課題
生産者の高齢化と後継者問題に加え、耕作放棄地の増加は日本の自給率にも関わってくるほど深刻な問題です。若い世代の従事者や生産者の確保・育成、耕作放棄地の再利用方法などが課題となっています。日本の低い食料自給率を改善するためにも、こうした農業業界の課題は官民を挙げて取り組む必要があるでしょう。
成長戦略
生産者の減少をカバーしつつ生産性を向上させるには、農業業界にもIoTなどの最新テクノロジーの導入が欠かせません。激しい気候変動にも耐えられる品種の開発だけでなく、IoTなどを活用した効率の良い生産・流通システムの考案、海外への輸出促進など、あらゆる面で農業を活性化させる戦略が必要でしょう。政府のバックアップのもと、個人・企業を問わず、既にその動きは始まっています。
農業業界の主な企業
農業業界は多くの個人農家・企業で構成されている業界です。ここでは主な企業を紹介します。
中部飼料株式会社
1943年に設立され、畜産・水産用配合飼料の製造販売を主要事業とする企業です。また、家畜の衛生管理や飼育指導など、家畜全般をサポートする「家畜診療業務」も行っています。2017年度の売上高は約1,782億円、本社は愛知県ですが、工場や研究所をはじめとする事業所は全国に展開しています。
株式会社埼玉種畜牧場・サイボク
1955年設立、種豚育種改良と肉豚生産を主とし、自社で生産した生肉やソーセージなどの販売やレストラン経営など、幅広い事業を展開している企業です。企業形態のメリットを活かして飼育から生肉の加工・販売までを一貫しておこなっており、2013年度グループ全体の売上高は約60億円。2017年からはレストラン事業の強化に乗り出しています。
株式会社農業総合研究所
農業コンサルティングをはじめ、農家の直売所運営や農産物の通販事業を行っています。2007年設立の比較的新しい企業ですが、2017年度の売上高は約23億円、和歌山県に本社を置き、全国に営業所を展開しています。
農業業界で働く人の仕事内容
農業業界に属する企業には、生産企業・農機メーカー・農業ITメーカーなど多岐に渡る業種があります。そのため、携わりたい業種によって主な職種が変わってきます。ここでは、各業種に共通する重要な職種を2つ紹介しておきます。
生産
個人農家が多いですが、生産法人・企業に籍を置きながら農産物の生産に携わる形態もあります。現場での家畜・野菜・果物・お米などの生産管理のほか、効率の良い生産方法の考案・実験作業などを担ったりします。
研究・開発
農業IT・農機・飼料・農業用地といった多岐に渡る業種において、その分野で有用な技術・素材などの研究開発をすることが仕事です。研究開発が進むにつれ、今後の農業業界の課題解決を図る、需要な職種でもあります。
そのほかにも、産地開発や法人運営に必要な経理・営業などの職種があります。
先輩の声
農業業界での仕事は人々の生活を足元から支えるという点でとても魅力があります。業界全体では就労人口が減少しており生産体制としては苦しい状況ではありますが、農業ロボットやドローンの活用なども進められており、今後はどのようにITの力を活用していけるかが鍵だと考えています。また、農業は地方創生とも関連性が深いのでそちらの方面で興味がある人にもおすすめです。
おわりに
日本の農業業界は、生産者の高齢化や後継者問題、耕作放棄地の増加など深刻な問題を抱えています。しかし逆にとらえると、成長産業となり得る可能性を秘めた産業であるともいえます。そのため、既存の技術やシステム・ノウハウを活かして他産業から参入する企業も増えています。
ロボットやIoT技術などを活用し、次世代を担う若者を強く募集している業界ですので、農業業界を希望する就活生は、業界研究と企業研究をしっかりとおこない、業界に詳しくなっておきましょう。
株式会社ジェイック
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