今後は海外展開が課題?化粧品業界の最新動向!

2018.07.18企業研究・業界研究
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2020年に向け国内景気は回復し続けるといわれている反面、個人消費の伸びは低めといわれています。いっぽうで、近年の化粧品市場は好調。インバウンド需要やアジアを中心とした海外での需要が増加傾向にあり、大手化粧品メーカー「資生堂」では、2018年1~3月連結決算において前年比2倍超の純利益を達成しました。

このページでは、昨今の化粧品業界動向や今後の課題、また、仕事内容や業界で求められている人材などについて考察したいと思います。

化粧品業界の動向は?今後の課題と成長戦略

国内の化粧品出荷額は近年急増しており、2016年には1兆5237億円と過去最高額を更新しました。減収減益が続いている百貨店においても化粧品売上高は例外的に上昇しています。

自然派化粧品や薬用、高機能性化粧品などに人気が集まり国内消費も回復傾向ですが、伸びが顕著なのは訪日外国人客によるインバウンド需要です。とくにアジアにおいて、日本製化粧品は「安全で品質が高いブランド」として信頼され人気を集めています。

また2016年には化粧品輸出額が初めて輸入額を上回り、2017年まで過去最高の値を更新し続けています。輸出先の9割が香港・中国をはじめとしたアジアであり、化粧品業界は今後もアジアを中心とした海外への展開を加速させる見込みです。

ただし、日本製化粧品であることがブランド価値を向上させているため、大手化粧品メーカーは相次いで国内の生産拠点を増強、工場新設や人件費増など巨額の資金を投じています。反面、今後の国際情勢によっては中国を中心とした需要が失速するというリスクもあるため、これらの投資が企業に大打撃を与える危険性もはらんでいるといえるでしょう。

化粧品業界の職種と仕事内容は?求められる人材

営業職や事務職、生産技術職に関しては一般的な企業と変わらない傾向にあるようです。ここでは、化粧品業界ならではの職種について考えてみます。

研究・技術総合職

保湿・美白・アンチエイジングなど、顧客のニーズをかなえる商品をつくるための技術開発を行います。4年制以上の大学で理系学部・学科を履修した人が求められ、地道に物事を進めつつも、探究心に富んだ人がふさわしいといえるでしょう。

マーケティング営業

消費者や得意先のニーズを追究し、利益を生むための商品企画、プロモーション企画などを行います。海外とのやり取りも発生するため、語学力が求められることもあるでしょう。流行や話題の商品・美容法などに敏感で、アイデア力や提案力に優れた人が最適であるといえるでしょう。

デザイン企画

商品パッケージから、広告などのデザイン、宣伝のためのコピーなど、消費者の購買意欲を促すためのクリエィティブワークです。それぞれ専門の知識・技術を備えている必要があり、SNSやCMなどに関心が深いと好ましいようです。また、すべてにおいて英語力を求められる傾向があります。

美容・販売職

美容部員、ビューティーコンサルタントなどとも呼ばれる、売り場で実際に消費者と接するスタッフです。商品の説明・提案だけでなく、顧客の肌診断・メイクアップ実習、また顧客管理・商品管理などの事務的業務もこなします。基本的に学部や学科は問わず、接客が好きで美容に関心がある人が求められますが、昨今のインバウンド需要に伴い語学力、とくに中国語が必須条件となる場合もあるようです。

化粧品業界にはどんな会社がある?人気メーカーの特徴を紹介!

株式会社資生堂の例

化粧品最大手の「資生堂」は、2015年から2020年度にかけての中長期計画目標である「売上高1兆円」を3年前倒しの2017年12月期決算で達成しました。同年6月発売のしわ改善クリームが発売後1カ月で出荷総数68万個を突破するなど大ヒットをとなったことが大きな牽引材料となっています。

また、ブランド力向上のため国内生産を増強するいっぽうで、グローバル人材を育てる拠点を海外に置くなどの挑戦もしています。社員のワーク・ライフ・バランス実現や育児・介護との両立なども支援されており、働きがいのある職場にするためのさまざまな取り組みがされています。

株式会社DHCの例

通販を中心に展開している「DHC」は、「他社より優れていなければ製品化しない」というコンセプトのもと肌への優しさと機能性重視の自然派化粧品を展開し固定ファンに支持され続けています。また、若手社員にも活躍の場が与えられ、入社1年目でも即戦力として扱われるためやりがいを感じる社員が多いようです。

先輩の声

化粧品業界は主戦場が、国内市場から海外市場へと移ってきています。特に近年は中国を中心にアジア地域へのアプローチが非常に重要となってきます。そうした背景があり、グローバルを意識した経験や物の見方も求められていると思います。

おわりに

個人消費が伸び悩むなか、拡大し続ける化粧品市場。アジアを中心とする海外需要に向けての企業努力や、高機能性化粧品の開発などによって、今後もますますの発展が期待できるでしょう。

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