家電業界に就職!業界の現状と将来の展望は?
2019.05.13企業研究・業界研究海外の安い家電製品の登場や少子化などの影響で、価格競争や売上減少が起こっている家電業界。この家電業界には、製品作りをする家電メーカーや販売に特化した家電量販店など、複数の業務形態が存在します。
今回は家電業界の現状や将来性など、就活生が知っておくべき情報をまとめてみました。ぜひ、業界研究や企業研究の参考にしてください。
家電業界の動向とは?
家電業界の業務形態は、大きく分けて家電を製造する「家電メーカー」と販売する「家電量販店」に二分されます。国外の経済状況や円高などにも業績を左右されやすいものの、業界全体の売上高では「家電量販店」が大きな割合を占めています。
家電量販店は、エコポイントの終了や薄型テレビの需要が落ち着いた時期には苦戦しましたが、近年の景気回復や消費税増税前の需要増によって回復傾向にあります。しかし、ネット通販や地域最低価格を目玉にする広告手法などにより、量販店間の価格競争が激化しています。
一方の家電メーカーも、4Kテレビや高級炊飯器といった最新機能や高い付加価値を持つ新商品の研究・開発に力を入れ、業績アップを図っています。また、IoTやエネルギー・環境分野における新規事業の展開なども進めており、各企業、今後を見据えたさまざまな戦略に取り組み中です。
今後の課題
激化する価格競争、少子高齢化に伴う需要の減少のほか、電業界特有の課題として、技術の進歩と商品買替えのサイクルのズレが年々大きくなってきていることが挙げられます。消費者が買替えを検討する時期は、購入後早くて3~5年ほど、通常は10年前後というケースが多いといわれています。対して家電に搭載されている最新テクノロジーは、ほとんどがわずか数年で更新されてしまいます。そのため、メーカー・量販店ともに、年々シビアになるコスト管理や製造・販売計画、効率の良い経営への施策が求められています。
成長戦略
現在は外出先から操作できる家電の開発が進んでいたり、話しかけるだけで用件を済ませてくれる家電が販売されるなど、IoT技術を駆使した家電が注目を集めています。
高機能を求める層やシンプルな操作・機能を求める層など、多様化する消費者の嗜好とニーズを満たす新製品の開発、国内外への販路拡大、汎用性の高い最新技術の開発・活用などが成長戦略に繋がることでしょう。
家電業界の主な企業
家電業界には家電メーカーと家電量販店の2業態があることは、先述しました。ここでは、家電業界の中でも市場に大きな影響を与える家電量販店について、主要企業を紹介しておきます。
株式会社ヤマダ電機
2017年度の連結売上高は約1兆5,740億円となっており、業界首位の大企業です。家電量販店でありながら、製品の企画から製造・販売までを一貫しておこなうことができます。また近年では、家電だけでなく住宅販売やリフォーム、インテリアなども手掛け、事業を拡大しています。
株式会社ビックカメラ
ビックカメラは、カメラの販売を中心に家電製品・オーディオ製品・パソコンなどを販売する企業です。ビックカメラの2018年度連結売上高は約8,440億円。家電製品のほかにも、メガネ・コンタクトレンズ・医薬品・酒類・スポーツ用品など、幅広い商品を販売して売上を伸ばしています。また、家電量販店の株式会社コジマや酒類を扱う株式会社ビック酒販などを子会社化し、積極的な事業戦略で好調です。
株式会社エディオン
2018年度の連結売上高が約6,863億円で、家電量販店の中でも上位に入る業績の企業です。全国に直営店425店舗・フランチャイズ761店舗を展開しており、フランチャイズ形式の導入で業績を伸ばしている企業です。
家電業界で働く人の仕事内容
ここでも、主に家電量販店の職種について解説しましょう。
総合職
実店舗での販売・企画、商品管理や販売促進にかかわる業務をおこないます。店頭での接客には取扱い商品に対する知識が求められることから、家電への興味や最新情報の収集能力が大切になる職種です。家電量販店の新入社員は、まずは店頭販売からスタートするケースが多くあります。
Webサイト担当
家電量販店は店頭販売だけでなく、ネット通販にも力を入れている企業が多くあります。Webサイト担当職は、ショップの構築から商品掲載・在庫管理・受注・問い合わせ対応など、サイトの運営と管理にかかわる業務全般となります。
企画
商品の宣伝・販売促進のために、マーケティングや広告の企画立案をすることが主な業務です。流行にアンテンを張り、訴求力の高い企画を生み出す力が求められます。
ほかにも、一般企業と同様の人事・経理・総務といった企業運営にかかわる職種もあります。
先輩の声
Amazonなどのインターネット通信販売会社の勢いがある中で業界的にもリアル店舗からインターネットへの流れがきているので、店舗の業務以外の仕事も増えてきています。また、小売業としての役割だけでなく、衣食住に関わる関連事業への展開を進めているので、同じ会社の中でメーカー、小売、不動産など様々な事業を経験できる可能性があるので消費者に近い場所で色々なことに挑戦してみたい人にはおすすめです。
おわりに
家電、中でも白物家電は生活必需品です。近年は「良いモノ」を製造・販売するだけでは、大きなヒットに繋がりにくくなっています。激しい低価格競争がまだ続いている現在ですが、各企業は独自の戦略で生き残りを図っています。家電業界を希望する就活生は、業界研究と企業研究を行い、最新テクノロジーにも詳しくなっておきましょう。
株式会社ジェイック
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