少子高齢化で好調?医療業界の現状と今後の動向とは?
2018.07.18企業研究・業界研究現在、少子高齢化は日本において叫ばれているだけでなく、世界人口が1位である中国においても長年の一人っ子政策により急速に進んでいるといわれています。そのため、医療の現場では人々の健康寿命を延ばす予防医学の取り組みが注目され、特に医薬品メーカーや医療機器メーカーはさらなる成長が期待されるでしょう。
医療業界の動向とは?
医療の仕事は、医師や看護師など医療現場での仕事だけでなく、医薬品・医療機器などの開発や販売を行う仕事まで多岐に渡ります。
特に医薬品メーカーや医療機器メーカーは、研究開発から営業までさまざまな分野の職種があるため、理系だけでなく文系のバックグラウンドを持つ学生からも人気の業界の一つです。また、先進国では高齢化による市場拡大、発展途上国では医療の発展による市場拡大が期待され、今後はグローバル展開が活発となる業界でしょう。
医薬品事業では、国の医療費負担を解消するために厚生労働省が2020年度末までにジェネリック薬品のシェアを80%以上に拡大する目標値を掲げており、後発医薬品分野は注目されている事業の一つです。しかし、その一方で薬の開発には億単位の莫大なコストがかかる上に、開発の成功率は3万分の1ともいわれる厳しい世界。これまでにない新しい医薬品を開発する新薬メーカーは厳しい状況にあります。今後は癌治療などの難しい分野の開拓も必要とされています。
医療機器事業は、経済産業省の報告によると、2014年時点でグローバル市場は約40兆円となり過去最大に成長しています。消化器系内視鏡ではオリンパスが世界シェア約70%を保持しており、高い技術力が買われています。しかし、CTやMRIなど他の医療機器のグローバル市場は、ジョンソン&ジョンソンを筆頭にGEヘルスケアなど海外メーカーが上位を占めている状況で、日本の医療機器メーカーは世界での競争力が課題とされています。
業界の分類!
病院・薬局
病院には国立病院、大学病院、一般病院、公立・公的・社会保険関係法人の病院があります。薬局は、薬剤師が調剤する薬局から、調剤済の薬が売られているドラックストアなどがあります。
医薬品
薬の開発を行う製薬メーカー、治験業務の支援を行うCRO(受託臨床試験実施機関)やSMO(治験実施施設管理機関)、医療用医薬品を薬局や病院に流通する専門商社などがあります。
医療機器
医薬品同様、医療機器の開発を行う医療機器メーカー、治験業務の支援を行うCRO(受託臨床試験実施機関)、医療機器を病院に流通する専門商社などがあります。
医療業界で働く人にはどんな人がいる?
医療業界の主な職種をご紹介しましょう。
医療従事者
国家資格を有し主に医療現場で仕事をします。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、助産師、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、歯科衛生士、救急救命士など。
研究者
製薬メーカーや医療機器メーカーなどで製品の研究開発を行う職種です。理系のバックグランドや専門分野知識を持つ人が大部分を占めます。
MR(医薬品情報担当者)
医師や薬剤師に、自社の薬の品質・有効性・安全性に関する情報を提供します。他の職種とは異なり文系出身の人も多い職種です。
CRA(臨床開発モニター)
医薬品メーカーが新薬を開発する際に、人において治験という臨床試験を行います。この治験を行う医療機関の選定・契約、治験モニタリング業務、データ分析、症例報告書チェックなどを行うのがCRAです。
その他
医薬品メーカーや医療機器メーカーにおいて、マーケティング、生産技術、製造、品質管理、知的財産、法務、経理などの職種があります。
先輩の声
医療は、人が生きて行く上では必需となる分野です。特に日本は、散々ニュース等で取り上げられるように「少子高齢化社会」を迎えます。そういった中で国内市場は確実に拡大します。しかし、そこで国内だけにとどまらず、今後新興国においても「健康」の重要性は高まりを見せます。海外市場も視野に入れて業界研究をすると面白いかもしれませんね。
おわりに
少子高齢化が進む中、医療業界はさらなる成長が期待されるでしょう。また理系だけでなく文系のバックグラウンドを持つ人も活躍の場が大きい業界です。さらに、今後は国内だけでなく海外の市場に向けた取り組みも注目されることから、将来グローバルに仕事をしたい人にもお勧めの業界です。
株式会社ジェイック
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