ガス業界(会社)に就職!業界は今後どう動く?
2018.07.18企業研究・業界研究オール電化の家も増えていますが、電磁波や低周波騒音への懸念や調理時の火力などからまだまだ家庭では重宝されているガス。
ガス業界といえば家庭で使うガスを販売している企業をイメージしますが、実際ガス業界にはどんな仕事があるのかご存知ですか?
今回はそんなガス業界について調べていきます!
ガス業界の動向とは?
資源エネルギー庁電力・ガス事業部の資料によると、2014年度のガス事業の規模感は家庭用ガスが2.4兆円、産業用ガスが2.6兆円、全体では約5兆円と、それまで堅調な推移をみせていました。2015年には暖冬の影響もあり減収、約4兆7000億円規模となりましたが、2017年に始まったガス小売自由化のためか、2017年から2018年にかけては徐々に好調な兆しがみえ始めています。
ただし、電気・ガス小売自由化による新規事業者の参入などエネルギー業界の構造自体に大きな変化が起きているのも事実です。ガス業界も電気事業や新エネルギー分野への参入を進めていますが、電気事業もまたガス事業へ乗り出していることなどから、安定した業界と言い切れなくなっているのも現状です。
今後の課題
ガス小売販売の自由化により販売モデルの変化が起きています。消費者も今まではその地域は同じガス会社から購入するという選択しかなかったのですが、自由化により電気とガス、あるいは通信費とガスをセットにして割引プランを展開する企業などもさまざまな分野から参入しているため、価格競争を招いているのが現状です。
また、震災への対策として企業を対象とした自家発電の導入なども推進すべきと考えられます。ただ、近年頻発している直下型地震による影響も懸念されるため、復旧の速い電気事業との差別化が課題だといえるでしょう。
成長戦略
火力発電の原料として液化天然ガス(LNG)の需要が高まっていることを考えても、今後ガス業界自体の規模が大きく縮小するとは考えにくいと思われます。またガス以前に電力も自由化が開始されていることから、ガス会社も電気とのセット販売が可能になっており、今後もさまざまなサービスの展開が期待されます。
たとえば「エネファーム」や「エコウィル」を使用することによって家庭でもガスから電気をとお湯を作れるようになるエコ事業や、太陽光発電事業など新エネルギー分野への参入も多くみられます。またエネルギー以外の分野にも参入するなどが、今後を生き残るための課題になると思われます。
ガス業界の主な企業
都市ガス業界では大手3社でシェア全体の7割近くをしめているのが現状です。
ガス小売自由化になったとはいえ大手3社のシェアに関しては今後も変わらずに続くとみられています。
東京ガス
2017年3月期売上高は1兆5000億円を超えており、圧倒的1位のシェアを誇る企業です。主に関東圏を対象とした企業です。
2018年5月には、日本初となる米国シェールガス由来の長期契約LNG受け入れを発表し、LNGネットワークの多様化を目指します。
大阪ガス
2017年3月期売上高は1兆1800億円を超えているシェア数2位の企業で、主に近畿地方を中心としている企業です。
2018年5月には、子会社である大阪ガスエンジニアリング(株)が台湾の国営エネルギー事業者の第3LNG受入基地に係るコンサルティング業務を受注するなど、積極的な海外展開にも取り組み、海外エネルギー事業の拡大を目指します。
東邦ガス
2017年度売上高は約4290億円、シェア3位の企業で、主に中部地方を対象とする企業です。
同じく中部地方の電力を供給する中部電力と合同で、海底パイプラインの建設を行うなどさまざまな事業を取り組んでいます。また、2018年5月には電気申し込みが10万件を突破するなど、電気事業への参入も堅調に進んでいます。
ガス業界で働く人にはどんな人がいる?
ガス会社の業務を簡単に説明するとガスの製造・輸入を行い、家庭や工場などの企業へ供給する企業です。
業務内容を大きく3つに分けると「営業」「研究開発」などの技術関係、「管理」に分けることができ、営業部門は一般家庭や企業などに対してガス設備の提案など、研究開発は新しい技術の開発、管理は一般家庭や企業向けに施工・点検・修理などの業務を行います。
先輩の声
ガス業界は社会インフラの一つという認識も強くあると思いますが、その通り、市場は非常に安定をしています。一方、ガス小売り販売の自由化が始まったことで競合との競争は激しくなることは予想されます。今後は国内の人口の推移や小売りの自由化を踏まえて、ガスのみの販売ではなく他分野への展開とうの攻めの姿勢も必要となってくると思われます。
おわりに
いかがでしたか?
ガス業界も小売自由化以降は堅調な売上推移を示しているものの、他業種との競争激化や人口減少・少子化などからガス単体の販売だけでは難しくなっていくのが現状です。
しかし、LNG市場の拡大や海外展開、新しい分野への参入などにより、今後もこれまでのノウハウを活かすことによって需要のある業界だといえるでしょう。
株式会社ジェイック
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